Tiktok売却の背景とMicrosoftの狙いについて

Tiktok

最近Tiktok関連のニュースが飛び交ってますね。

つい先日、米大統領が立て続けに2つの大統領令を出しました。

1つが90日以内にTiktokの米国事業を売却又は切り離すよう指示するもの。

もう1つが、米企業のTiktok買収実行を45日以内に制限するものです。

大分話が進みそうですね。軽く状況を整理してみます。

そもそもTiktokとは

Tiktokはユーザーが短い時間で動画を撮影してシェアするアプリです。

TikTok ティックトック
エンターテインメント, 写真/ビデオ無料iOSユニバーサル

サービスの広がりをお伝えするために、驚異的な統計の一部をご紹介します。

  • 全世界で20億ダウンロード
  • 世界で8億人のMAU(月当たりアクティブユーザー数)
  • 41%のユーザーは16歳から24歳(Global web index, 2019)
  • ユーザーは平均して毎日52分Tiktokを使用
  • 17年10月から19年3月の間で大人の利用者数が5.5倍

https://www.oberlo.com/blog/tiktok-statistics

TiktokはBytedanceという2012年3月に創業された中国の会社のサービスです。

CEOとBoardメンバーは公式ページから確認できます。

意外にもCEOとBoardメンバー1人を除いて、他の3人は如何にも、といった米国系のエリートです。

そして、TiktokのCEO、及びByteDanceのCOOにはDisneyの動画配信事業を率いていた米国人のKevin Mayerが就任しています。

但し、Kevin Mayer氏の就任は米大統領との確執が始まった後なので、ByteDance側のパフォーマンスとも言われています。

売却騒動の発端

背後には報道が続く米中の覇権争いがあると言われています。

しかし、直接的な切っ掛けはTiktokが米国のデータを中国に漏洩していると疑われ始めた事です。

真偽の程は定かではないですが、一部の米国メディアは「ハードウェアのID、IPアドレス、Wifiのアクセス、GPS情報、プロフィール情報、決済情報等」を収集しているのではないか、と報じています。

参考 Trump Says He’s Banning TikTokPopular Mechanics 参考 TIKTOK BAN: IS IT GOING TO HAPPEN IN THE US AND WHY IS TRUMP CONSIDERING IT?Independent

また、一部のソースでは、アンチ現大統領の若者がTiktokを活用してPresidential Campaignをネグレクトした事を逆恨みしたとも言われています。

参考 Is This The Real Reason Why Trump Wants To Ban TikTok?Forbes

但し、これが理由であれば米国企業が買収する事では解決されません。

そのため、情報漏洩を防ぐという観点で話が進められていると見るのが良いでしょう。

(勿論、米国にとっては経済的なメリットもありますが。)

これらの背景から、米国政府はTiktokの運営を中国企業から切り離したい。米国企業に移したいと思うに至ったわけです。

売却先の候補

現在はMicrosoftが筆頭で名乗りを上げています。

公式のブログでも引受先を強くアピールしており、是が非でも手に入れたい状況です。

次に手を上げたのが、Twitterです。

しかし、TwitterとMicrosoftの企業体力の差は歴然です。

CNBCは今回の買収価格が$10~30billion(約1兆~3兆円)に成り得ると報じています。

一方でTwitterの時価総額は約3兆円(8/14時点)です。

現金の保有額を見ても、Twitterが約8000億円、Microsoftが約14兆円とその差は歴然です。

勿論他のビッグ・テック(Amazon, Facebook, Google, Apple)も関心を持っているはずですが、現在は独占禁止法の抵触有無が精査されているため、このタイミングでさらなる拡大は難しいと見られています。

そのため、Microsoftが本命になります。

Microsoftの目的

では、Microsoftの買収目的はなんでしょうか。

Microsoftと言えばOfficeです。近年はAzureを始めとした企業向けのクラウドサービスで事業拡大を続けています。

消費者向け事業で代表的なのは、Xbox, Bing, Linkedin等になります。(個人向けのLaptopにインストールされたWindowsも勿論含まれます。)

OfficeもBtoBtoCという観点では依然として健在ですが、安いGoogle Suitsや、新世代のNotion、Slack等に攻勢を仕掛けられています。

つまり、主な収益は企業向けのビジネスで、消費者向けのビジネスはゲームとプロフェッショナル・ネットワークしか地盤を築けていないのです。

これは若年層をイメージすると顕著です。

若い世代はモバイルだけを使う人が増えています。Microsoft製品に触れる機会はあるでしょうか。

そこでユーザーの大半が若年層であるTiktokを買収し、若年層の消費者基盤を築こうとしているわけです。

これには純粋な広告事業の取り込みを超えた様々な思惑が想像されます。

まずデータ。若年層の行動パターン、流行っているプロダクト、価値観、様々な情報を得る事ができるでしょう。

次に送客。Tiktokは動画アプリです。Microsoftが持つ動画編集ソフトに送客することやBundleする事もできるでしょう。

そして連携。Xbox等のゲームは動画配信と相性が良いです。Xboxでゲームをしている若者とTiktokをつなげる可能性もあるでしょう。

但し、これらはあくまで全ての歯車が上手くハマった場合です。

Bill Gatesは、SNSの難しさに触れながら今回の買収を「毒入りの聖杯」のようだと述べています。

確かに、若者は流行に敏感です。

Establishな企業となったMicrosoftがTiktokの求心力を保つことができるでしょうか。

Tiktokの魅力を維持しながらシナリオ通り他のサービスと連携させられるでしょうか。

今回の騒動をチャンスと見て類似のサービスを次々とローンチしているFacebookに打ち勝つことができるでしょうか。

今後の行方

今回の大統領令で短期的に動きが起きる事はほぼ確定となりました。

短期的に売却に関して決着がつくでしょう。

思わぬ会社が買収することになったら面白いですね。

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プラットフォーム戦略に関してはこちら。

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